ジモトチvol.02レポート「楽しいとちぎを考えよう」

「とちぎ出身者の、とちぎ出身者による、とちぎ出身者のためのコミュニティ」Jimoto TOCHIGI。2017年12月12日(火)にとちぎをつくるワークショップ『楽しいとちぎを考えよう』を開催しました。

学生限定イベントの第2弾となる今回は、30名を越えるとちぎ出身の学生の皆さんが神楽坂HCスタジオに集合。前回よりも多くの学生にご参加いただきました。ありがとうございます!

進学を期にとちぎを離れてしまった大学生。とちぎには住んでいないけど、地元のことはなんとなく気になる…という学生は多いようです。そんなとちぎでは今何が起こっているのでしょうか?学生という立場で、首都圏に住みながらどのようにしてとちぎに関われるでしょうか?

 

栃木のことが少しだけ気になる人のためのコミュニティ

はじめに、Jimoto TOCHIGIを主催する栃木県庁地域振興課の関口良平さんより、この取り組みについて説明がありました。

とちぎに興味はあるけど学生だし…自分には何ができるんだろう?そんな学生の気持ちに寄り添うように、関口さんはにこやかにイベントの主旨を語ってくれました。

魅力度ランキング43位って、高いと思います?

まずは、今の栃木県の紹介です。地元が栃木県の宇都宮大生が、とちぎを伝えるために学生目線で企画、取材、編集して製作したフリーペーパー「しーたす!」。その編集メンバーの青池くんと大野くんが登壇し、「しーたす!」を使って様々な視点からとちぎを紹介してくれました。

「いきなりですが!栃木県の魅力度ランキング43位って、高いと思います?」
高いと思った人の割合はなんとほとんど…会場は笑いに包まれます。

また「首都圏に来て、皆さんが栃木を感じたことは何ですか?」という質問も。

「佐野市出身で、東京に来て自分がなまっていることに気づいた…」
「インターパークの近くが実家。東京に来た頃は電車に乗れなかった(笑)」
「栃木県人寮に住んでいるんだけど、推しの餃子店でいつも争いがおこる(笑)」

耳を傾けてみると、そんな声が聞こえてきました。

最後に、「しーたす!」内の「KAMAGAWA POCKET」のページを指しながら、「僕が一番熱意をかけて作ったページです。このフリーペーパーを通してまだ発掘されていないとちぎの良さを伝えていけたら」と、今後の展望についても熱く話をしてくれました。

 

学生にできる一番のことって、なんでしょう?

次は、学生の立場で、「とちぎに対してどんなことができるのか…」実際にとちぎに関わり、周りを巻き込んでいるロールモデルからのプレゼンテーションです。

1人目は、大正大学2年生の星野洸太くん。
星野くんは、『動くことで変わる未来』をタイトルに、自身が行ってきた活動を紹介してくれました。都内で開催される栃木県に関するイベントへの参加をはじめ、県内の企業や生産者の訪問を積極的に行っている星野くんは、「お金や経験値の問題で、学生ってどうしてもできることが限られてきちゃうと思うんです」と話してくれました。

「それなんだよね、どうすればいいか分からないんだよね…」と感じている参加者に、星野くんは「学生ができることは、多くの人に会って可能性を広げることだと思うんです」とはにかみました。

「行動はできる、でもチャンスがないんだよねと言う人がいますが、チャンスは身近にあります。今このイベントに来ているのもチャンスを目の前にしているし、お店の店員さんや大学の先生、外部講師の皆さんとSNSなどで将来につながりそうな人とコンタクトを取ることができる時代です。」

「大学生にできることはチャンスに全力で応えること。応えるというのは会いに行く、聴く、話す、思いを伝えるなどの行動のことで、チャンスに全力で応えた結果、また新たなチャンスを得ることができると思うんです。」

自分は行動力がある!と思っていつつも、身の回りからチャンスを発掘していくことはしない…そんな学生ってまだまだ多いように感じます。まわってきたチャンスに受動的に応えるだけではなく、自らチャンスを作り出していくことが大切なんだ…そう訴える星野くんのまっすぐな語り口にハッとさせられました。

 

続いて『とちぎハイスクールフェスティバル実行委員会(略して、とちぎハイフェス)』の取り組み紹介です。

『とちぎハイフェス』とは、栃木県内の高校生が一同に会し、開発した食品など、高校ごとにそれぞれ出し物を発表するイベントです。高校生が考えたオリジナルの飲食物の販売や、文化部によるステージ発表など、内容はまさに「栃木県高校文化祭」。

高校生時代にまちづくりサークル『宮つく』のメンバーだった大野くんが、商品開発の楽しさや大変さを高校生にも伝えたいとの思いから始まったこの活動は、高校生には【良い経験と「とちぎ」への愛着】、大学生には【もっといい経験と「とちぎ」への執着】、他の層には【「とちぎ」の高校生すげー!】と思ってもらえることを狙いとしています。

先生や大人主体のイベントに関わることが多い高校生。そうではなく、親近感のある大学生視点で企画されたイベントでは、学ぶことも多いのではないでしょうか。

高校生の活動からとちぎを発信していきたい!堂々と語る「とちぎハイフェス」のメンバーからは、一人の突き抜けた熱量は人を巻き込む力があるんだ、と気づかされました。

星野くん、とちぎハイフェス、しーたす…
チャンスに全力で応えている学生たちの活動と熱意が、より多くの学生に波及していけばいいな…そんなことを考えさせられる、ロールモデル2組の発表でした。

 

しもつかれをおつまみに飲み会とか!(笑)

最後はいよいよワークショップです。「Jimoto TOCHIGIにもっと人を呼ぶには?」「商品という観点からとちぎをアピールするには?」といったお題ごとに4つのグループにわかれ、それぞれ考えていきます。

「とちぎという単位で人を集めるのではなく、県南・県北・○○町限定…のように対象を絞って集客すれば、より“自分ごと”と感じてもらえる」
「しもつかれをおつまみに飲み会とか!(笑)」
「YouTubeにチャンネルをつくるとかは?」
「市長がアイドルの格好をして踊れば、SNSで絶対バズる」

などといった、実現可能性や影響力が高そうなものから、時に 「それいいね!」、時に「ウケる!」なものまで幅広いアイデアが生まれました。「とちぎに何かしたい」という気持ちを具体的な方法に落とし込むことで、行動へのハードルがぐっと低くなったと思います。

みんなで考えたことで、地元に何かしたいと思えました

ワークショップの後は、交流タイム。渋谷区神宮前にお店が ある「ことり食堂」さんによるとちぎの食材を使った美味しいお料理をいただきながら(大学芋が特に美味しかったです!)、参加者とワイワイした時間を過ごしました。

「将来とちぎに帰りたくなったよね!」
「とちぎに何かしたいと思っている人って周りにいなかったんだ。だけど、今日同じ思いをしている人が集まる場に来て、なんか勇気がわいたよ」

最初はどこか緊張していた学生たちの顔が、この時には自信と充足感にあふれる顔つきになっていたのが印象的なイベントでした。

Jimoto TOCHIGIの次回イベントは、2/25(日)にアーツ千代田3331(東京都千代田区)にて行われます!学生だけではなく若手社会人も参加するこのイベントに向けて、さっそく運営メンバーに手を挙げてくれる学生も。

「しーたす!」の栃木県民の県民性特集を読みながら、これからの栃木県に対する期待とワクワクを感じ、帰路についた私のように…Jimoto TOCHIGI 第2回目のイベントは、「首都圏の学生ととちぎを近づける」・「学生の「とちぎに関わりたい」気持ちを具体的にする」・「参加者が皆前向きな向上心を持って帰る」そんなイベントだったのではないでしょうか。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

文・檜山加奈(茂木町出身・茨城大学教育学部3年)

-information-
宇大生が「とちぎ」を伝えるフリーペーパー「しーたす!」
http://cocplus.utsunomiya-u.ac.jp/information/seminar/post-18.html

とちぎハイスクールフェスティバル
https://www.facebook.com/events/143691679582697/

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